2025年度越谷市予算の概要の紹介

2025年度が始まりました。越谷市の今年度の予算の概要やポイントについてご紹介します。

なお、予算についての詳細は下記の越谷市役所Webサイトで参照できます。

市民目線からの総合評価

越谷市の財政は比較的安定した基盤を持っています。しかし人口減少を背景にした財政不安定化への懸念は払しょくできません。市民生活に直結する重要分野への投資を維持しつつ、財政の持続可能性を確保するバランスが求められていることを市民として意識しなければなりません。

他の埼玉県内外の自治体と比較すると財政力は上位に位置していますが、公債費比率がやや高い点には留意が必要です。

市民にとって特に評価できるのは、子育て支援や教育環境の充実、防災対策の強化など、生活に密着した分野への積極的な投資です。一方で、市債の増加による将来世代への負担増加につながらないように投資効果への注視が市民に求められます。

当初予算の概要 前年比14.4%増

越谷市の2025年度予算の概要は以下の通りです。

  • 一般会計:1,324億円(対前年度比167億円増)
  • 特別会計・事業会計を含めた総額:2,186億1,700万円

前年比14.4%増という大変に意欲的な予算案です。人口規模がほぼ同じ所沢市が3.4% 増、川越市が6.7%増ですので突出した増加率になっています。

なお、首長選挙を控えた年の自治体の予算は肥大化しがちであるという知見もあり、この点には十分に留意し、来年度以降の推移を見守る必要があります。

歳入の状況

一般会計の歳入は、自主財源が690億6,942万円(52.3%)、依存財源が633億3,058万円(47.7%)という構成で、比較的健全であると言えます。

  • 市税:503億2,800万円(38.0%)- 前年度比31億7,900万円増

  • 国庫支出金:249億2,628万円(18.8%)- 前年度比40億5,764万円増

  • 市債:125億9,670万円(9.5%)- 前年度比33億8,630万円増

  • 地方消費税交付金:79億円(6.0%)

  • 地方交付税:78億円(5.9%)

歳出の状況

民生費が588億260万円(44.4%)と最大の割合を占め、次いで教育費193億902万円(14.6%)、土木費105億9,011万円(8.0%)となっています。

主要事業の概要

2025年度予算では、多くの市民生活に直結する重点事業が計画されており、総体的には評価をすべき予算配分状況です。

防災・安全対策

  • 消防指令業務共同運用事業- 近隣市町との共同運用に向けた消防指令システム整備

  • 共同消防指令センター整備事業

  • 防災施設整備事業 – 学校受水槽への採水口設置など

子育て支援

  • 病児保育事業の拡充 – 市内3か所目となる病児保育室開設

  • 夏休みこども居場所づくり事業 – 児童館などを活用した預かり保育

  • 子育て支援事業 – 子ども食堂等運営支援の拡大、家事・子育て訪問支援

教育環境整備

  • 小中学校屋内運動場等空調設備設置事業

  • 小中一貫校整備事業- 川柳小学校高学年棟校舎整備

  • 教育相談事業の拡充 – 小学校不登校対策のための校内支援教室増設

健康・福祉

  • 歯科健康診査等事業 – 歯周病検診の対象に20歳・30歳を追加

  • がん検診等事業 – がん患者アピアランス支援、在宅療養生活支援

  • 乳幼児等健診事業 – 新たに5歳児健診の実施

都市基盤整備

  • 平方公園整備事業

  • 道路整備・橋りょう耐震化事業

  • 排水機場施設維持管理事業 – 浸水被害軽減のための耐水化計画策定

越谷市の財政状況の評価

評価できる点

安定した財政基盤

越谷市の自主財源比率は52.3%と依存財源よりも高く、財政の自立性がある程度確保されています。これは埼玉県内の自治体と比較しても良好な水準であり、財政運営の安定性を示しています。

健全な債務状況

実質公債費比率は早期健全化基準を大きく下回っています。これは債務状況が比較的健全であることを示しています。

重点的な予算配分

子育て支援や教育環境整備、防災対策など、市民生活に直結する重要分野に重点的に予算配分している点が評価できます。特に、学校施設への空調設備設置や病児保育の拡充など、市民ニーズに応える事業が計画されています。

懸念点

市債の増加傾向

2025年度予算では市債が前年度比33億8,630万円増(36.8%増)となっており、将来的な債務負担の増加が懸念されます。道路や教育施設などの整備に充てる通常債は増加傾向にあります。

人口減少への対応

人口減少局面を迎えている中で、市税収入の将来的な減少が見込まれ、財政の持続可能性確保に継続した施策が求められています。

義務的経費の割合の高さ

扶助費や人件費などの義務的経費の割合が高く(合計51.1%)、財政の硬直化が進んでいる可能性があります。扶助費は26.8%と大きな割合を占め、社会保障関連経費の増加傾向は今後も続くと予想されます。人件費比率は16.2%で、埼玉県内の市町村平均(約13.4%)より高く、全国市町村平均(約12.9%)と比較してもかなり高い水準といえます。

地域的な予算配分の偏り

市南部(レイクタウン、新越谷など)への新規投資が目立ち、北越谷を含めた北部地区への予算配分への配慮が足りていないと感じる部分があります。

 

今後とも市民の義務として市の予算構成や執行状況をしっかり注視していくべきと考えています。